抵当権(ていとうけん)って?

あなたは「抵当権(ていとうけん)」という言葉をご存知でしょうか?

「聞いたことある・・・!」

「銀行マンが言っていた・・・!」

「・・・?」

マイホームを住宅ローンで購入する際につきものなのが「抵当権(ていとうけん)」です。

  • “住宅ローン=借金(しかも超多額! ) ”だから、債権者である銀行は、”借金のカタ”がないとお金を貸してくれません。

この「カタ」として「抵当権」が利用されているワケです。

一般的に「カタ」と呼ばれるものは、法律の世界では「担保(たんぽ)」と呼ばれています。そして、この担保のもとなる債権は「被担保債権」と呼ばれています。
teitouken_01 「抵当権」を設定できるのは、

  1. 不動産
  2. 地上権
  3. 永小作権

の3つです。

「不動産賃借権」は入っていません。「不動産賃借権」には、「抵当権」は設定できなくなっています。
その他、「抵当権」の基本的な内容は次のとおりです。

  • 「抵当権」を有する債権者のことを「抵当権者(ていとうけんしゃ)」と呼びます。
  • 「抵当権」が設定されている不動産(抵当不動産)の所有者は、「抵当権設定者」と呼びます。
  • 「抵当権」を、債権者自身が所有する不動産に設定した時は、その債務者が「抵当権設定者」になりますが、債務者以外の”第三者(物上保証人)”が所有する不動産に「抵当権」を設定することも可能です。”抵当権者=債権者”ですが、”抵当権設定者=債務者”とは限らないということです。

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●抵当権者・抵当権設定者の立場!

「抵当権者(金融機関)」には次のようなことが認められています。

① 対抗要件を備えられる!?

抵当権者は、抵当権を“登記”することができます。
抵当権者は、抵当権の登記をすれば、その抵当権を第三者(抵当不動産の譲受人(ゆずりうけにん)や賃借人)に対抗できます。
ちなみに、登記はあくまでも”第三者”に権利を主張するための要件であり、”当事者”である「抵当権設定者」に対して主張する場合には登記は不要です。

② 他の債権者に勝てる!?

「抵当権者」には”優先弁済権”が認められています。
“優先弁済権”とは、期限が過ぎても、「被担保債権」の返済が受けられない場合、「抵当権者」は 、「抵当不動産」を競売し、その競売代金から他の債権者に優先して、債務の弁済が受けられることです。
上記②に書かれてあるとおり、「抵当権者」は,、期限が過ぎても債権の回収ができないときは抵当不動産を競売することができるわけですが、競売が行われた場合、抵当権者は、抵当権を持つていない債権者 ( 「一般債権者」と呼ばれる) よりも優先して、その競売代金から債権の回収を図ることができます(優先弁済)

ただ、この優先弁済には問題点があります。それは“利息の存在です。
「利息」は、年数が経てばどんどん増えていくものです。ですから、利息の全額について抵当権者の優先弁済が認められることになれば、“一人勝ち”状態となり、抵当権者の他の債権者には1円も返済が回らないことになります。
そこで、利息については、”最後の2年分に限定して優先弁済を認める”ことになっています。

もっとも、これは他の債権者を保護するための外ですので、他に債権者がいなければこのような限定はなくなります。

●「抵当権設定者」に認められること!

住宅ローンの抵当権が設定されているマイホームでも、そのまま「抵当権設定者」が住み続けたり、賃貸して家賃収入を得たりすることができます。
その理由は、「抵当権」が設定されていても、「抵当権設定者」が”所有者”であることには変わりがないからです。というわけで、「抵当権設定者」はその収益物件(抵当不動産)の次の3つのことができます。

  1. 使用(「抵当不動産」である物件に住む)
  2. 収益(「抵当不動産」を貸して家賃を得る)
  3. 処分(「抵当不動産」である物件を抵当権がついたまま売る)

上記のa~cに関して、”抵当権者の同意や承諾”は不要です。

ただし、これらについては”通常の利用行為”であることが前提です。

「抵当不動産」を乱暴に扱って(通常の利用行為を逸脱して)、破壊してしまうようなことがあると、「抵当不動産」の”担保価値”が下がってしまいます。

これは、このような行為によって売却価格が暴落して、競売による債券買い雌雄が困難になるからです(抵当権の侵害行為)

したがって、このような行為をする「抵当権設定者」に対しては、「被短報債権の弁済期日(返済時期が到来する前)」であっても、「抵当権者」は「抵当権」に基づく”妨害排除請求権”を行使することができます(怖)。

●物上代位性?

あなたは、きっとこう考えるかもしれません。

抵当不動産が火事で全焼してしまったら、担保がなくなって「抵当権者(金融機関)」が競売できないから困るだろう・・・?

しかし、その建物(物件)に火災保険がかけられていたら、「抵当権設定者(建物の所有者)」に対して保険会社から”火災保険金”が支払われます。すなわち、”担保建物”が無くなってしまっても、”担保建物”の価値は形を変えて残っているということになります。

そこで、火災になった場合、「抵当権者」は、「抵当権設定者」からその火災保険を横取りする制度があります。

この制度を「物上代位」と言い、「抵当権者」であり「債権者」である金融機関は、”横取り”した火災保険金を返済に充てて一件落着というわけです・・・(;^_^A。

その横取りする方法ですが、次の二つを仕掛けてきます。

  1. 差押えをする
  2. 払い渡し前にする

① は、「裁判所に代わりに横取りしてもらえ」という申し立てです。
仮に、「物上代位」を知らない人であれば、せめてもの気休めになるかなと思っていた「火災保険金」を差し押さえられたとなると、「抵当権者」を感情的に許さないでしょう。暴力沙汰になるかもしれないので、代わりに裁判所にしてもらうわけです。

② は、火災保険金が支払われてしまった後では、もともと「抵当権設定者」が持っていたお金なのか、火災保険金なのか、区別が出来なくなるからです。

ちなみに、「物上代位」が認められるのは「火災保険金」だけではありません。次の三つも横取りされます。

  1. 「抵当不動産」が売却された場合、その買主から「抵当権設定者(売主)」に支払われる”売買代金”
  2. 「抵当不動産」が賃貸されている場合、その賃貸人から「抵当権設定者(家主)」に支払われる”家賃”
  3. 「抵当不動産」が放火された場合、その加害者から「抵当権設定者(被害者)」に支払われる”損害賠償金”

条件は火災保険金と同様に①差押えと②払い渡し前の二つです。

●共同担保!

民法では土地と建値のは、それぞれ別個の不動産です。ですから、ここまでお話ししてきた「抵当権」は土地と裁ち物のそれぞれ別個に設定するものです。

”土地に設定された抵当権”は、建物には及びません。

土地のみに「抵当権」が設定された場合は、その土地の競売時に、”土地上の建物”は一緒に競売できません。一方、”建物に設定された抵当権”は、土地には及びません。

建物のみ「抵当権」が設定された場合、建物の競売時に、”その敷地”は一緒に競売できません。

あなたがマイホームを購入し、住宅ローンを組んだとします。このような場合、土地と建物を一緒に購入するわけですから、購入後の土地と建物の所有者は同一人物になります。

このような場合、住宅ローンの担保として「抵当権」が設定されるわけですが、この場合、土地と建物の両方に設定されることが一般的です。つまり、一つの借金の「カタ」に、”土地と建物というふたつの不動産”に「抵当権」がつくわけです。

これを「共同担保」と言います。

「共同担保」の場合、競売になれば”土地と建物が一緒に競売”されることになり、通常であれば、土地と建物は”同一人物”が落札することになります。

 

マイホームを住宅ローンで購入する際につきものの「抵当権(ていとうけん)」・・・

“住宅ローン=借金(しかも超多額! ) ”だから、債権者である銀行は、”借金のカタ”がないとお金を貸してくれません。この「カタ」として「抵当権」が利用されているワケです。

マイホームを購入するということは、「期限の利益」を「利息」というコストを払って購入することです。

お金が貯まるまで待たなくても、楽しみを先取りできる代わりに、対価を払っているわけです。しかも、銀行は、あなたが住宅ローンが支払えなくなった場合まで読み込んでいます。

くれぐれも住宅ローンはほとほどの金額にしておきましょう。

一度きりの人生を楽しむために・・・♪

では、また。