工事請負契約とは?

こんにちは。”私たちにちょうどいい家(R)プロジェクトDaihyoTV”です。

今回は「工事請負契約」についてのお勉強です。

「売買」と「請負」は違います。「売買」はすでに存在する形あるものを取引きしますが、「請負」はまだ形のないものを対象に法律行為(契約)を行います。「請負」とは,、請負人が建物を建てるなどの仕事を完成し、それと引換えに“報酬(請負代金) ”を受け取れる契約です。仕事を頼んだ人が「注文者」、頼まれて仕事をする人が「請負人」と呼ばれます。

「請負人」は、売買における「売主」と同様に、”代金”をもらっているわけですから、ちゃんとした者を完成させる義務があります。

そこで、「完成させた物」に欠陥などの不具合がある場合、請負人は、その依頼者(注文者)に対して、その責任を取らなければなりません。これを「請負人の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」といいます。まずはその内容から解説します。

●請負人の瑕疵担保責任!!

請負人の瑕疵担保責任については、注文者に次の権利が認められています。

  • 瑕疵修補責任

注文者は、相当の期間を定めて「その瑕疵を直せ!」と請求することができます。ただし、あまり重要でない瑕疵でないにもかかわらず、多額の修理費用が掛かる場合は「直せ!」と請求できません

  • 損害賠償請求

注文者は、瑕疵修補請求をしないで(瑕疵修補の分も含め)て損害賠償請求ができます。もちろん、瑕疵修補とともに、損害賠償請求をすることも可能です。

  • 契約の解除

(土地の工作物以外)

注文者は、建物などの土地の工作物以外であれば、契約の目的が達成できないほどのヒドイ瑕疵の場合に限って契約を解除できます。

(土地の工作物)

建物などの土地の工作物については、どんなにヒドイ瑕疵であっても契約を解除できません

 

建物などの土地の工作物については、法律は、どんなにヒドイ瑕疵であっても解除を認めていません。その理由は、この場合に解除を認めることになれば、請負人に過酷すぎるし、完成した建物を壊すのはもったいないからでしょう。

ところが、判例では、請負契約によって建てられた建物に 「重大な瑕疵」 があり、“建替え”しか選択肢がないような場合にはその建替えができるくらいの多額の損害賠償を請求できるとしています。

このように、「建替えに要する費用相当額の損害賠償」が認められてしまえば、結果的に“建替え” が行われるであろうから、結局、その建物は“取壊し”となってしまうし、そんなに多額の損害賠償を払わされることになれば、請負人にとって“過酷”なのはかわりないじゃないか?という疑問が生じます。しかし、そんな”多額の損害賠償”であっても、「契約解除はダメ」とする法律(民法)の規定に反しないというのが、この判例の見解です。

ちなみに、注文者のせい(例:注文者が用意した木材で家を建てたが、実はシロアリの巣であった・・・)で欠陥が生じた時は、請負人は、瑕疵担保責任を負わなくてよいことになっています。ただし、請負人が、欠陥などの事実を知っていながらそのことを注文者に隠していた時は、教えないのが悪いので請負人は瑕疵担保責任を負うことになっています。

●請負人の瑕疵担保責任(期間)

請負人の瑕疵担保責任期間は、次のように決められています。

木造などのヤワな建物 引渡しから5年
鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物 引渡しから10年

ただし、瑕疵が原因で実際に壊れてしまったら、注文者は、その壊れた時から1年以内に瑕疵修補および損害賠償の請求をしなければなりません

●請負人の瑕疵担保責任(免責特約)

請負の当事者間で、「請負人は瑕疵担保責任を負わない」および「請負人の瑕疵修補責任を軽減する」といった内容の特約(免責特約)をすることができます。

ただし、請負人が、欠陥などの事実を知っていながら、そのことを注文者に隠していた時は、この「免責特約」は無効になり、請負人は通常通りの瑕疵担保責任を負うことになります。

ac2abce4f4c8381eba993937c2db82a0_s●「瑕疵担保責任」によらない解除①(仕事完成前の解除権)

先に述べたように、「完成した建物」については、どんなにヒドイ瑕疵であっても、注文者は請負契約を解除できません。それでは、「建てている途中(工事中)」であればどうなるのでしょうか・・・?

注文者は「工事の途中」であれば、理由を問わずに請負契約を解除できます。しかも、この解除は、建物その他の土地の工作物であっても認められます。工事の途中で、その建物が不要であることが判明した時は、みすみす完成させても”無用の長物”となってしまうので解除ができることにしたのでしょう。

ただし,、注文者は,、今まで仕事をしてくれた請負人の労をねぎらい「損害賠償」を支払ってあげる必要があります。つまり、この場合に損害賠償を支払うのは、請負人でなく解除をする注文者の方になります。

●「瑕疵担保責任」によらない解除②(破産による解除権)

注文者が、破産開始の決定を受けた場合、次の人たちは請負契約を解除することができます。

  • 請負人
  • 破産管財人

●報酬の支払い

「注文者」は、請負人の仕事の完成に対して、報酬を支払う必要があります。その理由は、請負は報酬の支払いが前提の有償契約だからです。

それでは、報酬はいつ支払えばよいのでしょう・・・?注文者は、特約がない限り、目的物の引渡しと同時に報酬を支払わなければならないと定められています。つまり、報酬は”後払い”が原則です。

ちなみに、「報酬の支払い」と「日的物の引渡し」は、同時履行の関係にあります。

さらに、補足ですが、先に述べた「瑕疵担保責任に基づく瑕疵修補請求をしないで(瑕疵修補分も含めて)、請負人に対して、損害賠償を請求している場合、その「(瑕疵修補義務に代わる)損害賠償の支払い」と「報酬の支払い」も同時履行の関係になります。

●「完成した建物」の”所有権”の帰属

請負契約により完成した建物の所有者は、いったい誰なのでしょうか・・・?ひれについて、判例では次のような判断を下しています。

  • 注文者」が、材料を供給しとき

「注文者」が、”材料の線部”および”主要部分”を供給した時は、特約がない限り、はじめから注文者の所有物になります。

  • 請負人が、材料を供給したとき

「請負人」が、”材料の全部”および”主要部分”を供給した時は、特約がない限り、いったん請負人の所有物となり、引き渡しによって、注文者に所有権が移転します。ただし、「注文者」が、完成前に代金の全額を支払っている時は、はじめから注文者の所有物になります。

 

では、また。